水色のなかま

このブログはフィクションです。物語の設定は主人公の紹介をご覧ください。

第4章 体験記 ⑬子育ての不思議(子育ては子のためでなく親のための通例儀式2)

水色のなかま)さて、まずは、正樹から言いたいことがあるようだが。

 

はい。

前回の記事に書きましたが、我が家に新しい犬が来まして。今、家族でこの子犬のために、あれやこれやと準備したり、ごはんや、休憩時間の与え方などについて話を合わせ、掃除や食事の準備など、それぞれが出来ることをやっているところです。

基本は、娘が、人一倍子犬について勉強しているので、娘のアイデアに沿ってルールを決めています。娘は、前の犬のことも一番可愛がっていたし、新しい犬を見つけてきた実績もあり、家族にも信頼されているのです。

また、引きこもりの子どもは、子犬の抱っこや、”おすわり”などの声掛けがうまくて、子犬が一目置いている感じがあります。それと、娘が作った、ご飯を食べたり便をしたりを記録する一覧表を、エクセルで作ると言って、それに取り掛かってくれました。

僕は、家族の様子を見ながら、全部の仕事を把握し、家族のやれないところだけに手を出すよう心がけています。僕は、娘のようには子犬の勉強ができないし、引きこもりの子のように抱っこがうまくありません。僕は、自分は下手でいいと思っています。家族の得意を称賛し、ちょっとまだ、娘以外が手が出せないでいる、便の処理や汚れものの洗濯などを請け負い、家族が子犬といい気持ちで、マイペースで触れ合える環境を、作ってあげられればと。

そして、便の処理やゲージの掃除をすることにより、意識がどうしても異次元に行きがちな僕は、グラウンディングする機会を与えられ、あーなんか、なにもかもがうまくいってるなーと思って。新しく子犬を我が家に受け入れたことで、家族みんなが、いい感じに動き出せているなーと。

 

 

天の使徒・ブルー)さよならを言いにきたよ。

 

闇の使徒・ダウス)俺もだ。長いこと苦しめて悪かったな。おまえは、もう俺たちと付き合い、学ぶ必要がなくなった。俺たちを憎んでもよかった。でも、それも日常のすがすがしい忙しさから、恨みも憎しみも、許さない、という思いでさえ、おまえにはもうなくて、過去のことをどうでもいいと判断している心に触れ、俺たちは、もうおまえから去るべきだと判断した。ワンネスじゃないから、ここにいられないんだ。

 

天の使徒・ブルー)俺たちは、ワンネスじゃなかった。ワンネスだと言っておまえをだまして、おまえの満足感を得て、おまえの魂を取り返えさせない方向に、仕向けたかったんだ。それがバレて、俺たちは一切おまえから信用されなくなっていたが、恨みを抱きもせず、ただ怒りや理解できない思いはあって、それがある間は、まだおまえもワンネスじゃなかったんだ。でも、もうその気持ちまでも昇華して、ここはワンネス、よって、俺たちは、ここにいられない。

 

ブルー、ダウス、・・・。

mizuirononaka.hatenadiary.jp

 

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正直言って、おまえたちを信じてて、仲良くしていた時間を考えたら、僕の一生を台無しにされた思いがした。本当にひどいと思ったよ。僕には、子育てがあったから。

‥でも、今、子犬を迎えて、家族が、以前よりもお互いに思い合い、いい感じに歩めてるのも見て、おまえたちを許さない、という感情を感じてる時間がもったいないという気になった。僕には、やりたいことがいっぱいあるんだ。メダカも、ねずみも、植物もいるしね。だから、もうお別れしよう。それでいいよ、僕は。君たちと話すと、もう体がつらいんだ、合わないんだ。

 

天の使徒・ブルー)ほら、最後の魂だ。もう俺たちがいなくても、おまえ、大丈夫だから。

 

闇の使徒・ダウス)おれからも、返すよ。天と闇からはこれが最後だ。

 

助かるよ、どうもありがとう。本当の自分が、やっぱり一番だからさ、うそのない自分が。君たちにとっても、きっと幸せだと思うよ。

 

天の使徒・ブルー)闇の使徒・ダウス)じゃ。

 

じゃーね。

 

 

 

水色のなかま)通り道だったんだよ。

 

うん。

 

水色のなかま)天と闇は、地球に居場所を構え、お互いにお互いをつぶさない協定を結んでいて、その談合のチームが、ブルーとダウスだったんだよね。でも、彼らはワンネスなわけではなかった。話し合いによる協定のメンバーだったのだから。

ワンネスというものの定義が、ここで必要だと思うが、・・

 

あの、つまりはあれ、あれでしょ?

天国と地獄には、長い箸があるって話。

天国の人たちは、長い箸を使って、大きなお皿を囲む向こう側の人の口に食べ物を運んで食べさせてあげる、すると、向こう側の誰かが、今度は自分に向かって、長い箸で食べ物を口に入れてくれる、それで、みんな満たされてにこやかで、争うことがないんだって。

でも、地獄の人は、長い箸で自分が食べようとするから、食べ物が誰の口にも入らなくて、みんな飢えていて、みんな争って食べ物を自分の口に入れようとし、怒鳴り声や鳴き声ばかり。

ワンネスって、天国みたいな箸の使い方をすることだよね。だって、僕は、自分のことなんかよりも、家族のことばかり思って生きているけど、なぜか、ひょんな時に、僕にもちゃんと、幸せが与えられてる。今回、子犬が来たこと、子犬のための買い物の際、ホームセンターでストロベリーポットを見つけたこと、僕、すごく嬉しかった、本当満たされた。他にもいろいろあるんだよ。

あと、水色のなかまは、今まで、僕の意思をすごく尊重してくれて、なにをするにも反対することなく、やってみて自分がどう思うかを模索させてくれた。こんなふうに、僕は、誰にも接してもらったことが無かったから、始めは、その深い愛に気が付けなかったけど、自分でやってみて失敗したり、やらなきゃよかったと思った上での、自分自身の一歩を決めてこれたことで、僕は、自分のことが大好きになったよ。つまり、ワンネスの子育てっていうのは、これなんだなーって実感してる、それをそのまま子どもにしてやればいいんだ。

相手を信じることと、自分を信じること、要は、そこじゃないかな。

 

水色のなかま)その通り。そして、君から去った天の使徒と闇の使徒は、君に愛情がないわけじゃなかった。しかし、条件付きの愛だったのは確かだ。そういう愛は、親子間でもある、いい子なら愛す、悪い子だから愛さない、という親の勝手な言い分による差別、そのようにして、子どもを追い詰め、個性を奪っていく妙な習慣、ワンネスの一員としてそこにあり、皆の愛を高めさせるための存在、そうした者に、通り一遍の労働を要求する妙、それをしない者やできない者を認めない妙、その子のためにできることをしてやるだけで、自分が想像もできない幸福を得られるのにそれをしない妙、世の中妙なことばかり。

でも、おまえは気づいたし、身も心もワンネスになることで、ワンネスではなかった存在たちとは縁も切れ、その身に負担を強いられることもなくなった。この先は、ワンネスの中で自分らしくが鍵、喜びは倍増し、無理しないのにつぎつぎ訪れる幸福に、自然、笑顔にならざるを得ないだろう。できなかったこと、やりたかったこともぐんぐん叶う、その様子を、これからも、ここの場で見せてやってくれ、それを実際見せることも大事、ワンネスを知らせるために。

 

今は、家族を含む、生き物たちの世話が、僕を最も幸せにしてくれてます。

さぁ、午後も、もうひと頑張りだ。