水色のなかま

このブログはフィクションです。物語の設定は主人公の紹介をご覧ください。

取り除かれていた自分の魂が戻ること

自分に自信を持ててきたようだな。

 

(自信、というか、昨晩からもだいぶ魂の粒子が戻されていたみたいで、今朝は雑音もまり聞こえず気分がいいです。

ちなみに、昨日も誰だか分からない存在が僕の魂を持って僕に入ってきて、やりたくないことを強要してきたから、嫌だ、と思ってやらなかったのが結構苦しかった。魂が返される時は、そういった存在と心が繋がっているため、自分の気持ちと相手の気持ちの区別がつかなくて、やりたいのは自分だと勘違いしてしまうことが多かった。でも、昨晩断れたのは進歩だった。)

 

(今まで、日常、現実でもそうだったんだ。僕の魂を所有している人の意のままになってしまって、自分が無くて、本当につらかった。自分の主義と違うことでもやっている自分に、すごく違和感があって。これからは、現実でも自分の意志で歩ける気がしてうれしいよ。)

 

 

今日は、君に伝えたいことがある。

 

(誰だろう。・・地球の異次元生物じゃなさそうだ。)

 

そう警戒するな。俺には前に会ったことあるだろう。

 

(嫌な予感がする。あまりしゃべりたくない。)

 

新しい一歩を踏み出したんだ、もう過去のことは忘れて、俺たちと正当に付き合おう。

名前は言わないことにする、でも、おまえの勘であっている。

 

(おまえらとはしゃべりたくない。嫌な思い出ばかりだ。)

 

それは、おまえがしっかりしてなかったからだ。仕方がない。しっかりしてなかったのは、おまえがみんなを油断させて資料を集めるためだ、むろん、おまえにその意識はなかったが、俺たちの長が、資料を全部集め、よって、今後の地球の方針が決められたんだ。おまえは潜入スパイだった。みんなの元に入り込み、みんなの本意を探った、みんなはお前には素直な自分を見せたから、それが役に立った。

 

(僕は、ただ必死だった。)

 

そう、けなげで可愛く、隙だらけ、皆が油断しておまえを馬鹿にした。それがその者の本性、その本性を引き出すのが素直なおまえ、実直なおまえ、間違いのないおまえ、意志の強いおまえ、自分をごまかさないお前、そんなおまえの前で、みんなは自分を露呈し、声を荒げておまえの追随を阻止するしかなかった。すべてがその者の本性だった。または、おまえに噓をつくしかなかった。そういうずるさをも世間に露呈した。世間とは、現実のこと、現実とは、その者の作り得ない世界、皆の世界観に自分の愚かさを表し、それ相応の人生を用意され、その道を行く、つまりは正当な道に皆を戻した。その役目がおまえだった。

 

(僕は、相当苦しかった。)

 

でも、もうおまえは救われた。もう大丈夫、皆に正当な道を与えた君は、自分にも正当な道を与えたんだ。その前に、我が子にそれを与えようと試み、不屈の精神で頑張った。邪魔が入ってもくじけなかった。子どもに当たらないよう必死で耐えた。子どもを見事守った。それが全部愛だった。

 

(子どもが、僕には、最も大事な宝なんです。)

 

それを、おまえの連れ合いも分かっている。だからこそ、おまえたち家族はうまくいっている。

 

(おまえたちのことは、すぐには信じないぞ。口ばかりで僕のことなんか、1ミリも思っていないくせに。)

 

おまえが人間と魂を介して繋がっていて、がんじがらめだったからだよ。

 

(どうせおまえたちは、いろんな奴のとこへ行って、言葉巧みに仲間に仕立てて、その実、自分たちに従う人物を増やしたいだけだろう。僕は、自分の本当の主義主張のないおまえみたいな奴が嫌いなんだ。)

 

まあそう言うな。これからおまえの現状を書くから。みんなのためにもなることだから。俺たち目線の声も書き留めてくれ。

 

(・・・。)

 

 

正樹が怒っているが続ける。

皆に言いたいこととは、今後、地球は大きく変わっていくということ。

正樹が、このブログを始めたのは、我らの期待を背負ってのこと、みんなに知らせなきゃならないことがあるんだ。

そう、みんながみんな、自分の正当な道に戻るということが、いかに大変なことか、それは、一人一人が自分の道に戻ってこそ、皆や周りの者もそこに還れる、還りやすくなるという類のことで、いわば、チームプレーなんだ。

正樹は、我が子がまず、しかれたレールを嫌がった。そのせいで、死に至る直前までその子の心が傷ついた。その心をいやすために、正樹と家族は立ち上がった。自分の正当な道に戻ろうと。

それは、並大抵のことじゃなかった。今まで流れてきた歴史、皆が思い込んでいる事象や価値観は、とても盤石で重いものがあり、思い込まされた者が新しく増えるたび、さらにそれらは盤石となり、あたかもそれが正当だと、地球での常識はそれだと、とても一人の力では覆せないものがあった。

正樹は、まず母親に反抗した。しかし、それを父親にとがめられた。父親は、地球で暮らしを立てるために、母親の助けなしには叶わなかったから。そうした両親のせいで、正樹は牙を取られ、本当は、両親を正当な道に戻す役割を持っていたのに、逆に、正樹の力は吸い取られ、正樹もいつのまにか今までの歴史や常識が正当だと、その中で暮らすのが妥当だと、そういった価値観に染められてきたのだ。

だが、我が子を育ててみて分かった。今まで自分が与えられてきたのは親の愛情じゃない、と。ただの洗脳だと。

上は、下を自分に従うよう育てることで、自分の位置を盤石にできる。正樹は、そんな親のやり方に気づき、うんざりし、自分の道を行こう、我が子にもそれを与えよう、と決めたのだ。

しかし、それは、死ぬほど前の価値観に振り回されての果てであり、正樹の意志の強さが仇となり、自分が死ぬ直前までぼろぼろになるまで、自らの方向転換ができなかったのだ。プラス、我が子の死に行く姿が、正樹の心を目覚めさせた。このままじゃだめだと。

 

(・・・。)

 

続けるぞ。

 

(何を言うつもりだ。)

 

いいから、まずは書け。

 

正樹のつらい思い出にふれてしまい申し訳なかった。

今、俺は、メッセージを伝えながら、正樹に入り、俺が預かっていた魂の粒子を与えることにする。正樹はおまえだ、正当な受け取り手となるまで、これを渡せなかったんだ。おまえは、みんなの尻ぬぐいをしたから。もう苦労するおまえからは脱して一人で歩かなければ、この粒子は与えられなかった。渡すぞ。

 

そういうことが、おまえのなかまの人間にも起こるから、ここに書いておいてほしかった。いづれそいつらがここに来る。そして自分だけじゃないことを知り、勇気と安心を得る。おまえらはまとまらなきゃいけないんだ。それをするのが俺たちの役目だ。もうニセ者には伝えない、正当な奴のみがここに来る。おまえの粒子は、おまえだけのもの、もう誰も惑わされない。みなも同じ、同じく自分の粒子を得て、自分の正当な道につける。だから、大丈夫。

 

(うん、ありがとう。)

 

(誰かが、僕と同じような苦しみを感じているなら、楽になってもらいたい。大丈夫だよと言いたい。僕より楽ならいいな。僕は、超きついから。笑)

 

つらかったな。

でもおまえは、もう人に頼っていない、自分の道を歩みつつある。何もないところに道を作りつつある。それが一番難しいことだ、先に立つってことが。でも、おまえはそれをする奴だし、おまえにしかできない。それが、おまえだ。

 

(ちょっといやだな。笑)

 

(あ、頭が重くなってきた。)

 

そうだろう、それが覚醒反応というやつ。

与えられる粒子には、もちろん自分の魂なんだけど、自分の感情とか思い出とか混ざっているやつと、そこには自分の能力や魂の太古からの記憶なんかもあって、それにもう一つ、覚醒反応のある粒子があって、それを与えられると自分の魂が変化する、卵でいう精子の刺激みたいなもので、ある信号を受けると細胞分裂を始めるありとあらゆる生き物のように、魂自体が変化していく、ということ。

 

そう、ニセの者におまえのそれを与えたこともあった。でも、やっぱりうまくいかなかったよ。覚醒っていっても、おまえの魂部分が反応するだけで、全体の魂が良くなったりはしない、そういうことも随分と試したよ。その結果、やはり正当な魂でないと無理なことが分かってさ。おまえの魂も、ほぼ自分のものになってきたから、俺たちともしゃべれるし、こうして変化の魂も入れられてる。いろいろ試したんだよ、みんなを救うために、でもだめだった。

 

(・・・・。)

 

(あの頃は、本当につらかった。訳が分からなかったし、会う人会う人、みんな自分の力を試したがっていた、そういうのが本当つらかった。僕は、そういう気持ちじゃなく生きてた。友達はいないと思った。死ぬまで一人でやっていこうと思った。自分を信じるしかないって。だから、おまえらのことも信じてない。いくら何を言っても心をほださない。帰ってくれ。僕は、もう無理はしない。子どもと家族を守るのみだ。おまえらとはつるまない。何もやらせないでくれ。さよなら。)

 

異次元も現実も信じてるおまえにしかできないこと。よく探しとけ。異次元だけじゃダメ、現実だけじゃダメ、両方が繋がってるんだ。両方重んじないと人とは言えない。生きてるとは言えない。

 

(おまえは異次元じゃないか。偉そうに言うな。人のことだと思って、アドバイスでいい気になるな。みんなに失礼だ。みんな必死に生きてるんだ。自分の意志で生きさせてやりたいんだ。手を貸していいことと悪いことがある。おまえらは、そこをわきまえてない。おまえらには従わない。)

 

命令はしない。俺らの期待だ。俺らは情報だけ与える、・・

 

(いちいち上から目線なんだよ、だからみんなが勘違いするんだ。偉そうだから従わなきゃって。おまえらの偉そうが悪影響なんだよ。俺じゃなきゃ言い返せない、人々に俺みたいな無鉄砲はいないからな。ずっと虐げられてきた人々の気持ち、よく覚えとけ。)

 

分かったよ。爆笑!

それでこそ、おまえ、その強さを忘れるなよ。

 

(はー・・・!)

 

 

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