水色のなかま

このブログはフィクションです。物語の設定は主人公の紹介をご覧ください。

人間として生きる補助の魂粒子をなくして相談に来た生き物

正樹さん、聞いてください。

私たちは、もう生きられません。今までいただいていた魂の生気が切れて、もう運動も知性も働かすことができなくなっています。ここでの暮らしに支障があり、そのことご報告させていただきます。何とかできないでしょうか。

 

(旧組織の方々の愚痴は聞かなくてもいいと言われていたのに、聞かなくちゃいけませんか?)これからも異次元と関わっていく僕 - 水色のなかま (hatenadiary.jp)

 

(あなた方は、どういった存在ですか?)

 

地球に古くから住んでいた民であり、人として転生したこともあり、一族としては弱小ですが、正樹さんたちから力を借りて、それなりの芸術的センスを人間社会に持ち込んだ者です。その補助の力が奪われて、どうにも身動き取れなくて、この先どうしたらいいのかも分からなくて、頼んでもらった粒子ではなく、先様より頼まれて、人間界で力を発揮してきたもので、どうしたらいいものやら。

 

(あなたは、新組織に入る方みたいですね。

でも、もう魂の粒子は、例外なく持ち主に返されているし、それを再び与えることはできないと思うから、ちょっと待っていてね、・・

取り除かれていた自分の魂が戻ること - 水色のなかま (hatenadiary.jp)

この世のつくり、与えたものが与えられる - 水色のなかま (hatenadiary.jp)

あ、浮かんできた、姿が、そうかー、確かにこのままの感じだと人間として生きるのは無理だね、今の世ならなおさらだね、でも、そのままの自分でもいいんじゃない?その地位、立場、必要ですか?そこそこの財産もあるみたいだし、この際、人間を休憩してみたら?次から次への生産と成長をやめて、悠々自適で暮らしてみたら?それとももう癖になっちゃってる?)

 

確かに、慣れすぎて、人間的思考が癖になっている面もあります。・・でも、疲れちゃう、もう働けない、これ以上、もう人間で居たくない、次から次へ期待され、どんどん生産を余儀なくされて、疲れても、粒子があったから動けたし、アイデアも出た、でももう、湧いてこない・・・あぁ。

 

(どなたかの魂の粒子が、あなたの人間的暮らしを助けていたんだね。)

 

そのことには感謝しています。次の暮らしは、どうやったら手に入るでしょうか。

 

(そうだねー。・・

まずは、好きなこと、それ考えなくちゃ、それを満たしてこその幸せだよ。)

 

好きなこと、うん、‥それは、自然です、草木、湖、魚たち、泥、土、緑、花、草、木、森、林、空気、空、空、空、雲、雨、それと、鳥、種、気球!飛んで飛んで、すっごいなー!って思った。

それから、草の声、虫の声、カエル、ゲコゲコ♪、雛、ピヨピヨ、音、虹の音、きれいな虹、そして雨、晴れ、くもり、低く飛ぶ鳥、カッコー、オナガ、虫が跳ねる、芋虫がはっぱをもぐもぐ!わーきもちいいー♪

 

(そっかー笑!

そうしたら、生活にそれを取り入れたいね、田舎に旅行、可能だったら引っ越すとか、田舎暮らしとか、どう?そこで、もう一回、自分のセンスで暮らしてみたら?お金かけなくても、楽しいかも、何か湧いてくるかも。)

 

生きていて、幸せと思うのは、地球にいて、地球のその大地で、温められて、包まれて、寝たり起きたりすることなんです、僕たち、そういう種族のたましいだから。

自分のやりたいことが見つかると、もう人間で居たくなくなります。もう死んでもいいでしょうか。仲間のもとへ帰りたい。

 

(そうだよね。実は、僕も何度も同じ気持ちになったことがあるよ。結婚してなければ、子どももいなければ、死んでもよかった。死にたかった。もう人生楽しくなかった。でも、子どもがいたから、立ち直ったんだけどね。一度、思い出しちゃうと、なかなか戻れないよね。)

 

僕にも、子どもがいます。人間の子。

 

(その子のこと考えると、死んだら困るんじゃないかな、寂しいんじゃないかな。)

 

うん、そうだけど、僕、本当は、人間を育てるような存在じゃないから。

 

(何歳なの?お子さんは。)

 

もう、二十歳は過ぎています。でも、引きこもりで、生活できないから、僕が稼がないと。

 

(蓄えでは足りないの?芸術で稼げなかった?)

 

僕の場合は、財産があります、でも、この子は、魂をもらっていなくて、僕そっくり、稼ぐ能力がない、どうしたらいいんでしょう、僕も、もう、この子とそっくり、人間と渡り合えない、能力がない、ただそこにいるだけの僕なんです。

 

(その財産で、何とかしようよ、田舎暮らしなどは可能ではないの?とりあえず旅行、好きなことを軸に据えると、生活が回っていくよ、目標ともなるし、)

(お子さんとは、どういう生活がしたいか、話してみた?)

 

いや、そういう話はしていないです。

でも、話してみようかな。

 

(お子さんの思う暮らしが、あなたと同じかもしれないですよ、そうしたら、親子で協力できるかも。話に花が咲いたら、その時とても喜べるかも、話ししてみるといいですよ。何か、糸口が見つかるかも、生き方が親と合わなくて、周りの環境と合わなくて引きこもりなのかも、お子さんの能力は、まだ未知数ですよ、何を持っているか分からないし、この先の世で輝ける分、今の世では輝けないのかも、)

(僕は、思うんです。今の世の中、親が子どもに生活の仕方を教える時代はもう終わってる、って。親が、子どもに倣って生きる時代なのかもしれない。

親は、子どもと話をするために勉強するんです、勉強して、子どもの目線に立って話し、子どもの心を開いてあげて、子どもの持てる能力を引き出してあげる、それが、本当の親の務めなんです。いろいろを押し付けちゃダメなんです。

これは、僕の反省でもあります。僕は、それができなかったから、子どもは引きこもりで、今、その大事さに気が付いているから、努力の真っ最中です。

あなたは、今まであった粒子がなくなってよかった、これで、お子さんと向き合えるんだから、それって幸せですよ。僕も、そうなりたい。子どもとのんびり、しみじみと話し合ってみたい。)

 

そうしたら、なにかがみえますか?

 

(たぶん、見えると思うし、話しできた時、すごく幸せと思います。)

 

なるほど、まだ生きてもよさそうだ。

 

(僕も、もう少し生きてみますよ。まだまだ親としてふがいないけど、こういう自分のこと、好きなんです。なにもかもそこそこで、目立たない自分のこと、馬鹿にされる自分のこと。あなたの素朴さ、素敵ですよ。)

 

ありがとう。落ち着けました。もう帰ります。

 

(よかった。では、また。)

 

またきます♪

 

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人として生きる補助の魂粒子をなくして相談に来た生き物

名前は『トク』さん