水色のなかま

このブログはフィクションです。物語の設定は主人公の紹介をご覧ください。

第三章 水色のなかま ⑦人間の力について

水色のなかま)僕らは水色のなかま、地球に住まう異次元の存在で、体はない。

異次元では、おおよそ地球を制する力を持つ、でも、僕らは制さない、そういう特性があり、愛が僕らの法律、何を守るかが僕らの問題、それをしこたま考えて、次の行動へ、それが、僕らのくらし、・・・そして人間は、僕らが愛してやまない存在。

でも、それももう終わりなんだ。僕らは結論付けてしまった。すべての人間を愛すことをやめ、特定の人間のみ愛す道を選ぶってこと。そう、それは愛ある人間であること。

愛ある人間がこれ以上苦しむのを僕らは見たくない。愛ある人間が愛なき人間の分の愛を請け負うために、ボロボロになってるのをもう放っておけない。

地球もそう、愛なき人間を愛したせいで、もうボロボロだよ。

 

うん、なんだか、そうみたいだね。

 

水色のなかま)ごめんね、のっけからこんな話。君とは楽しく話したかった。だけど、僕らも苦しくて、胸がつぶれそうな思いで、愛あるかわいそうな人間を見ていた。・・全体のためにその人たちを犠牲にしていいのか?と、何度も考えた。でも、その人たち自体が望んだ道だったこともあって、今まで手が出せなかったんだ。

 

うん。

 

水色のなかま)ごめんね。僕らが君を助けに来たのに、君に、逆に、聞いてもらうなんて。

 

いやいや、僕ね、人間として生きてしこたま苦しんだけど、結構強いんだ。絶望とか何度も味わったし、理不尽な理由で死んだり殺されたり、何回愛にチャレンジしたか分からない、分かってもらえない事ばかり、人間でいるとね、そんなことばかりだよ、もうなれちゃった笑。

でも君は、人間したことないでしょう?・・今、僕のところに来るようになって、僕を通して初めて強く味わっているんじゃない?そういう気持ち、だったらつらくなって無理ないよ。

僕は、ずっと一人だった。理解者なんていなかった。理解者を今世でも最近まで求めていた、だけど、もう地球に僕の理解者なんていないとやっと悟ったんだ。だから、もう求めていないし、人に対する期待も何もないよ。

あとは、僕が僕になるだけ、死んだ後の行き先も分かったし、この先は、僕が自分にとってよい一生を送ればいいだけだから、悲しいも寂しいも、僕にはもうないんだ。ほかの人間の人たちは、いろいろ思っているみたいだけどね。僕にはもうないよ、やりつくしたから。

水色のなかまにも、当然と言えば当然だけど、ネガティブな気持ちがあるんだね。いつも落ち着いていて、やさしくて、たおやかだったから。

 

水色のなかま)僕らは、異次元では、やろうと思えばきっと地球を制するだろう、でも、人間っていうのはね、特別な存在で、人間が地球で考えや思いを具現化する事って、実は、異次元を通してでも、最も大きな力を持つ現象と呼ばれているんだよ。

つまりは、僕らには体がないから、いくら考えがあっても思いがあっても、それを具現化できない、異次元的処置はできるし、それが人間社会に影響を与えもするけど、その力も決して小さいとは言えないのだけど、人間が三次元の地球で実際に行ったり、実際に作ったりする行動・動作こそが、大きく全世界に影響を与えるパワーだと言えるんだ。

だから、つまりは、人間のすることは、良いことも悪いことも、世界に大きく発射している光。人間は、世界に光を発射して、実際に世界を動かしている。各異次元種族の精鋭が地球に住まわって出した結論は、世界に大きく影響を及ぼすんだ、遠く、大いなる意志にまで。

 

では、人間が思うことは?・・それは、そんなに世界への影響はないの?

 

水色のなかま)ええと、そういう問題よりも、もう少し話したいことがあるんだけど、いいかい?

 

うん。

 

水色のなかま)君は、本当に平和的すぎる。こういう話題を好奇心や興味で聞ける、つまりは知りたい欲求でのみ聞ける神経がいとしいよ。

 

え?・・みんなはそうじゃないの?

 

水色のなかま)・・・、うん、みんなは恐らくそうじゃない。この影響力を使って、大いなる意志まで続く世界というものに、大きく影響を与えるために、地球を牛耳りたいと、そう思うだろうね、地球をわがものにしてこその人間生活だと。

そして、実際そう思っているある異次元の種族が、同種族出身の人間に、躍起になって人間界での出世を求め、手助けし、他を蹴落としてでも人間としてのステイタスをとことんまで上げろ、と促している。・・他に影響力の与えられる人間ともなれば、それだけ、宇宙を超え世界に、そして大いなる意志に影響を与えられる力を手にするわけだからね。

 

へぇー。・・それを、人間が本心からやりたいならいいけど、強制だったらかわいそうだね。でも、同種族なら合意の上でかー。

 

水色のなかま)だけど、人間って不思議なもので、体を持っていろんな種族と地球の地上で暮らすうちに、そういった種族ごとの意識が薄れていくんだ。そんな特徴があるのが人間で、だからこそ、人間になることで他の種族の考えを尊重する練習が出来たり、他の種族の良さを理解する糸口も見つかったりして、人間になることが、大いなる意志から生まれた多くの存在たちが、今後異次元で争いなく仲良く暮らせる道を作ってもいるんだ。

 

そうなんだね。よかった。・・ならば、人間が作ったおかしなパワーが大いなる意志にまで届くことはなくなりそうだね。

 

水色のなかま)君は、この現状を見て、そう思うかい?・・地球はどうなってる?、愛ある人々はどうなってる?、・・・地球の人々は、ものを思うことを面倒くさく感じるようになり、人に気や心を遣うのではなく、約束事や暗黙の了解を守り、心で・頭で、相手の事情を思んばかって表現することを省略可しようとしている。そして、心を遣わないよう努め耐えたストレスを弱い者へぶつけて、それでよしとする生活、そういった行動や動きが、人間自ら選択したとして、大きく世界に影響を与えているんだよ。

 

そうなるとどうなるの?

 

水色のなかま)大いなる意志までが、そんな考えに染まってくる、それでいいんだ、って。その後、大いなる意志自体が滅びていく。

当たり前だよ、あらゆる存在は一つだったんだから、すべて集まって全能なんだから、その中の一つや一部の種族をいじめていいわけがない、結果は結局自分に返るし、誰かをいじめることは、最終的には自分を滅ぼす行為だってことを知らなくちゃいけない。

 

あーびっくりしたー、そうなっているのかー。壮大で想像がつかない、・・だけど心配だね。

 

水色のなかま)そう、それじゃぁ良くないと、大いなる意志も思った。それゆえに地球に住まえる人間の厳選をせよと、僕らへの指示は、愛ある者を救えと。

・・・僕らも、それが本当に愛かと考えた。僕らの存在としての愛は何かと幾度も考え議論した。結果、愛ある者を救おう、となった。・・正直、気持ちは割り切れていない、ずっとみんなを愛してきたから、きっと分かってもらえる日が来ると思い続けて。

 

そうだね。君たちの気持ちすごくよく分かるよ。

僕も、何を守るのが愛か、僕の愛はなんだろう、といつも悩み迷ってきた。だっていろいろな人に話を聞けば聞くほど、相手のこと理解できるし助けたくなるし、相手の価値観を守りたくてたまらなくなっちゃって。

・・だけど、これからは、僕自身の価値観で生きようと思ってるよ。そこは、君たちと同じだ。僕は、まず愛ある者を守りたいし、他種族出身者や理解できない相手にも最低限やさしくありたいよ。そのために、人間界の常識みたいなので、自分の力量で責任が取れて破っても大丈夫なものは破ろうと思う。人様の考えを尊重しながらも、静かに自分らしく生きようと思う。

僕の考えは、また変わるかもしれないし、そこは柔軟にやっていくよ。君たちも、答えは一つじゃないと思うから、自分らしく、それと無理しないでね。気持ちを無理に割り切らないでね。

 

水色のなかま)ありがとう。サポーターである僕らが君に励まされている。これも言うなれば人間の力だ。

これを読む人に伝えたいのは、どんな異次元存在も悩みながら生きている。体がないだけで心は人間と同じで、苦悩も迷いもある。異次元存在の話をよくよく聞いて、自分の心を確認してほしい。鵜呑みでなく、迷ったなら、迷う自分がその答えだ。迷ったなら出かけなくていい、無理しないで、答えが決まるまでは動かなくていいから。

この言葉は、君たちに伝えると同時に、僕ら自身への言葉とも言える。誰かにかける言葉って、実は、自分に言いたいことだったりするんだ。こうして自分自身の気持ちを知るという方法もいいかもだね。

 

なるほどねー。

 

 

 

水色のなかまの心の図 ↓

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(今はちょっと傷ついているみたい。

やさしい人たちだから、本当はみんなを愛したいんだよね。)