水色のなかま

このブログはフィクションです。物語の設定は主人公の紹介をご覧ください。

第三章 水色のなかま ㉘我が家の犬が死に、生き物は死んだ後どうなるのか、犬に聞いてみた2

我が家の犬が死にまして、先ほど、ペット用の火葬場に、家族で連れて行き、火葬の手続きを済ませてきました。いやー思った以上に素敵なところで、とてもやさしく扱ってもらえまして、安心してお任せしてまいりました。

しかしながら、この数日間、家族は思い出しては涙を流し、〇クンがいないことを悲しがりました。

僕も、介護をずっと続けてきたので、〇クン中心の生活からなかなか抜け出せなくて、夜中に目を覚まし、おしっこの確認・・と思っては、もういなかったんだ、と気付き、散歩の時間が来れば、散歩に行かなきゃ・・と思ったところで、もう死んでいるんだ、と知るの繰り返しで、僕は、何度も、〇クンがもう生きていないことを思い知り、何度も何度も、胸がきゅーっとなりました。

また、思わず泣いてしまったのは、僕が作った車いすを見た時です。

僕は、へたなDIY車いすを作ったことがあって、少しだけ使ってくれたのですが、その車いすを見た時、そこに、作った時の僕の気持ちがこもっていて、思わず号泣しちゃいました。僕、〇クンに、元気になってほしい、その一心だったんです。

〇クンの体調は、どんどん下がり続け、結局死んだのですが、そのことは、自分なりに納得していたし、〇クンに無理をしてほしくない気持ちだったはずでした。でも僕は本心では、やっぱり死んでほしくなかったし、元気になってほしくて必死だった。それが叶わなかったんだなーと思い知り、涙が止まりませんでした。

今朝は、〇クンの体とお別れで、思い残すことが無いようにと、いっぱい〇クンや、〇クンのいた場所の写真を撮り、〇クンの遺体に、いっぱい話しかけました。

火葬場でも、やさしい係員さんのもと、家族で気がすむまで〇クンにさわり、話しかけ、いっぱい拝んで帰ってまいりました。

これからしばらくは寂しいだろうけど、僕も家族も、好きなだけ泣いて、好きなだけ〇クンの話をしようと思います。

あー、あんないいワンちゃんは、他にいなかったなーと。

 

 

水色のなかま)春の日差しの中、桜が咲く道々を通って、ポカポカ陽気の中、火葬場へ行き、帰りも、車の中で〇クンの話に花を咲かせて帰ってきた。

最後、いつもの公園で正樹だけ車から降り、〇クンと、死ぬ少し前まで歩いていた野原の丘を、写真で取った。そこの桜も見事だったね。

その時、この桜を最後に、〇クンと歩きたかったなーと正樹は思った。でも、正樹、そこに〇クンはいたよ、正樹と一緒に車から降りて、一緒に歩いていたよ、一緒に思い出の丘を眺め、〇クンは、自分の、犬であった生涯と、ここでの思い出を振り返って、十分幸せを感じていたよ。

 

うん、うん、‥涙。体がないだけ、心は一緒、気が済むまではここにいてくれるんだから、そうだよね。

 

水色のなかま)そうだよ。だから、正樹の望みは叶っているから、だからこそ、今日という日に〇クンは、家庭から飛び立ったのだから、この景色を正樹と見るために。道中の花々を家族と眺めて出かけるために、最後の、家族とのお出かけを楽しむために。

 

うん。

あと、思い出と言えば、昨年夏休みに、犬連れOKの別荘に泊まりに行ったんだ。そこの思い出が本当楽しくって、行ってよかったなーって思ったよ。〇クンは、初めて家の中で僕たちと一緒に寝て、すごく幸せそうだった。また行こうねって、家族で話してたの。結局行けなくなったんだけど、あの思い出は最高だった。

 

水色のなかま)そうだね。家族みんなの思い出だね。

ちょっと異次元の話に入ってしまうけど、正樹は、〇クンの亡骸の横に座り、普通に〇クンと話していたよね。家族それぞれへの伝言も受けて、それを、正樹は、家族に話して、家族は、それを聞いて嬉しがっていたね。

 

うん。僕ね、こういう話は家族にもあまりしたことがなかったの。悲しんでいる家族を励ましたくて、勢いで話してしまったけど、みんなどこか納得した部分があったようで、喜んでくれていたよ、泣きながらね。

 

水色のなかま)そして、正樹は気が付いた。〇クンの声が、昨日のものより、少し大人びた感じになっていて、話の内容も、すごくしっかりした内容だったのを。そのことから、思ったことがあったね。

 

はい、そうなんです。

〇クンの話す声や、内容が、昨日と違って大人びているのを感じて、僕は、昨日話したのは〇クンの犬部分の魂だけだったんだなーと思いました。

それと、実は〇クンの実態は、犬だった魂が犬の体のアバターから出て上に戻ったなら、当然、犬なのではなく、もっと大きな存在なんだな、と。

〇クンは、自分が差し入れていた犬部分の魂を引き上げて、大きな存在部分と一緒になったから、犬だった知能や記憶力や理解力だったものから、数段上の大きな思考力のもと、話をすることができたんだなー、って。

 

水色のなかま)正樹、それは、その通りなんだよ。今回のことで、いろいろと体験して勉強になったね。

 

話に聞くより、実際に体験することで実証ができた気がします。犬も人間も、この体をアバターとして生きていて、僕もみなさんも、大きな魂があって、魂を細く伸ばして体に差し込むことで、今、僕は、みなさんと、肩を並べて生活できているんだと。

 

水色のなかま)正樹には、もはや、多くの仲間たちがついている。動物たちの代表として、〇クンが、正樹たち家族の、愛すべき、尊敬すべき人格を立証してくれたことが大きいんだ。君たちの愛の実行で、その愛を受けた〇クンが、芯から実感しているんだからね。

 

それは、僕らこそです。

 

それと、今、〇クンの声が聞こえたよ。

始めに、誰かの声で、「あなた方の、〇クンに対する愛がとても強くて大きかったから、異次元動物の代表である〇クンが、このたび、また再び、あなた方家族のもとへ降りたいと願っている、一緒に季節をめぐる中、あなた方と幸せに過ごしたいと。どんな形で降りるのかは任せてもらいたい、犬の形で降りるのか、はたまた、子どもたちの子どもの形で降りるのか・・、」と聞こえて、

それで僕が、「誰の子に?」と聞いたら、続けて、〇クンが、『一番面倒を見てくれた、◇◇の子どもになりたい・・』と。

そうなったら喜ぶぞー!と思い、僕は、これからの未来を思ってワクワクしました。

◇◇は、〇クンが本当に大好きで、いつでも、ずっと、〇クンを可愛がっていました。気持ちが通じたんだね。

二人の願いも、きっと叶うよね。

 

 

 

(魂を細く差し入れて、互いに地球で犬と人間になり、

仲良く過ごすようす↓)