水色のなかま

このブログはフィクションです。物語の設定は主人公の紹介をご覧ください。

死んだときに分かる、自分が何者だったか

急に、おばあちゃんの声が頭に聞こえてきたので、それを書き留めてみる。・・

 

おばあちゃんより

『まあちゃん、いろいろすまなかったね。まあちゃんには謝りたいことがいっぱいあるよ。

おばあちゃんは、まだ成仏していない。本来は、死んだら輝かしい光に囲まれて次の世界に渡っていき、自分の愛する夫にも会い、すべてを納得した上で次の世に生まれていくのだが、私はまだ成仏していない。どこへも行けれない、地球に、あの家にしばられて片っ端から使い走りされ、役に立てと追い立てられている。

お前のお母さんは、恐ろしい人だよ、生きている時は従順に見えたが、実は、裏で糸を引いて、すべてを思い通りにしていた。

私が死んだら、ほら見たことか、と家を乗っ取りだした。

まあちゃんは、今の家族に満足し、何の不満も感じずに生きているようだが、あなたのお母さんは、それこそ不満だらけの家族と不満だらけの家に嫁いできたんだ。

当然、その空気を察して皆に嫌われる。それをもあたかもまあちゃんが悪いかのように振る舞い、おばあちゃんは、それを見て見ぬふりをしていた。怖かったから。

今でも、家を仕切り、私たちを自分の手足として使い、地上での振る舞いを制限させないようにしている、仏壇に念仏を唱える振りをして地上を支配するべく先祖の魂を指導している。

まあちゃんは、何も悪くないのに私たちを救うために生まれてきたのに、お母さんに魂を与え、自分じゃなくなるほど魂を取られ、ほとんどお母さんの魂で生きていたのに、まあちゃんがそんな奴だと思って家族は、まあちゃんを嫌ってまあちゃんの魂を得たお母さんをすばらしい人だと勘違いして、まあちゃんに対する態度を決して改めなかったんだよ。

死んでから、すべてが分かったよ。すべてが見えたよ。許してほしい。

今こうして、魂を取り戻しつつあるまあちゃんと、まあちゃんの魂を失いつつあるお母さんを比べてみると、よく分かるし、比べてみたら、確かに人格の違いと能力とのアンバランスが分かるし、これに気が付かなかったとは大人として失格だ。

まあちゃんは、今は元気でよかった。

おばあちゃんは、もう成仏することにする。あなたのお母さんに、これ以上好き勝手されたくないし、おばあちゃんは、実は人間じゃないから、人間のように次の人生が決まってはいかないが、次にやることならば分かっている、すでに申し付けられている。

おばあちゃんは、人間じゃないから、自分の人生を謳歌することはなく、みなを育てる役割をしていた。家の家系は代々そういう家系だった。しかし、あなたのお母さんが、それを破壊した。おばあちゃんは、もう行く。一言謝りたくて。ごめんね。・・』

 

おばあちゃんは、何を言いたかったのだろう。

分かったことは、おばあちゃんも人間じゃなかったということ、僕と同じだったなんて知らなかった。感情的でわりに心身が弱いところのあるおばあちゃんだったけど。

そして、お母さんの事。

僕のお母さんは、僕の魂をずいぶん所有していて僕は一緒にいるのが苦しかった。

 人間じゃないもののつらい道のり、それも、もう終わりだけどね - 水色のなかま (hatenadiary.jp)

僕はそれを最近になって自覚しているけど、おばあちゃんも分かってくれた、死んではいるのだけど。

僕のお母さんは、人間じゃないものが生まれる僕の家系を壊したんだろうか。壊したとは、具体的にはどういう意味なんだろうか。

とにかく、僕は、母といて苦しかったのは確かで、母に渡していた自分の魂をどんどん取り戻している途中であるということも、なんとなく自覚している。今は、以前より元気だし、自分の意志というものがちゃんとあるから、好きな自分でいられて毎日が楽しく感じられている。

 

とにかく、死後の世界というものは、やっぱりあるらしい。

死後の世界はあるみたいだね - 水色のなかま (hatenadiary.jp)

そして、人間じゃないものも死後の世界を経て、どこかへ行くらしい。今は、それくらいしか分からないね。